【12月7日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に加わった英国籍の戦闘員について、ギャビン・ウィリアムソン(Gavin Williamson)英国防相は7日、居場所を突き止めて殺害するべきで、英国に帰国させてはならないと述べた。英大衆紙デーリー・メール(Daily Mail)が報じた。

 先月、過去のセクハラ疑惑をめぐって辞任したマイケル・ファロン(Michael Fallon)前国防相の後任に就任したウィリアムソン氏は「要するに、死んだテロリストが英国に害を及ぼすことはないというのが私の見解だ」と発言。「この脅威を打ち砕き排除するため、できることは何でもするべきだ」と付け加えた。

 イラクやシリアに渡航して戦闘員となった英国旅券の保持者は推計800人に上る。このうち130人は死亡し、約400人が既に帰国したが、270人ほどが今も中東に滞在しているとみられる。

 ISの英国人戦闘員をめぐっては2014年、「ジハーディ(聖戦士)・ジョン(Jihadi John)」の通称で知られた英国籍のモハメド・エムワジ(Mohammed Emwazi)容疑者が人質を斬首するISの動画が公開され、注目を集めた。

 ウィリアムソン国防相は、他国に逃亡した英国人戦闘員も行方を追跡し、英国への帰国を阻むと言明。「彼らに安全な場所はない。ISの憎悪(ヘイト)や死の礼賛を広めるため他の国へ行くことはできない」と語った。

 ウィリアムソン国防相のインタビューの数時間前、ロンドンではテリーザ・メイ(Theresa May)首相の暗殺を計画した罪で訴追された男2人が裁判所に出廷している。(c)AFP