【12月7日 AFP】ヨルダンのパレスチナ難民キャンプにある小さなワークショップで、ハリマ・アンカスーリ(Halima al-Ankassuri)さんが青いショールに伝統的な柄の刺しゅうを施している。このショールは、パリやロンドン、ドバイなどの高級ブティックで販売される。

 7人の子を持つ54歳のアンカスーリさんは自らの作品について「キラキラと光る色の現代的なアイテムに、パレスチナやイスラムのモチーフを刺しゅうしたもの」だと説明する。

「私たちがここで作っているものをヨーロッパの人たちが身にまとい、有名なファッション雑誌が関心を持っていることに誇りを感じる」と頭に赤いベールを巻いたアンカスーリさんは、大きな笑顔で独ヴォーグ(Vogue)オンライン版に語った。

ヨルダンのジャラシュ・キャンプにあるワークショップで刺しゅうを施すパレスチナ人女性。この難民キャンプは、ガザ地区から避難した1万1000人以上のパレスチナ人のために創設された(2017年11月5日撮影)。(c)AFP/KHALIL MAZRAAWI

 彼女が住むヨルダン北部のジャラシュ・キャンプ(Jerash Camp)は、1967年の中東戦争(6日間戦争)でガザ地区(Gaza Strip)から避難した1万1000人以上のパレスチナ人のために創設された。ゆえに、ガザ・キャンプ(Gaza Camp)とも呼ばれている。

 それから半世紀、貧困と失業に苦しみ、倒壊寸前のインフラに囲まれながら、このキャンプには2万9000人を超える難民が暮らしている。