【12月7日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は6日、国家ぐるみのドーピングで2018年平昌冬季五輪への参加が禁止された同国の選手が個人資格で大会に参加することを認める考えを示した。

 国際オリンピック委員会(IOC)は5日、トーマス・バッハ(Thomas Bach)会長がロシアの国を挙げてのドーピングは「五輪とスポーツの高潔性に対する前代未聞の攻撃」だと断じ、大会への参加を禁止する決定を下した。IOCは潔白が証明されたロシア選手については「五輪旗の下で」個人での出場は認めるとしているが、ロシアは大会自体をボイコットする可能性があるとされていた。

 この日、ニジニーノブゴロド(Nizhny Novgorod)の自動車工場でスピーチを行ったプーチン大統領は、2018年の大統領選に通算4回目の出馬をすると表明。その場で五輪について言及し、「われわれがボイコットを宣言することはない。個人資格で出場したいのであれば、選手の五輪出場を阻むことはしない。最終的な判断は五輪チームによって下されるべきだ」とコメントした。

 その一方でプーチン大統領は、ロシア選手団の五輪参加禁止は「完全に仕組まれたもので、政治的な動機に基づいた決定にみえる」としており、国家ぐるみのドーピングを改めて否定。同国の選手については、「同情している。彼らの多くはただの知り合いではなく、友人だと私は考えている。心から同情している」と語った。

 また、ロシアのドミトリー・ぺスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は同日、出場禁止処分に対し「感情的に」反応するのは危険だと注意を喚起していた。同国政府は12日、IOCの決定への対応策を話し合うものとみられている。(c)AFP/Anna MALPAS