【12月6日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領からセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を受け、後に虚偽の発言で名誉を毀損(きそん)されたとする訴訟をめぐり、ニューヨークの裁判所で5日、訴えを認めるかどうかの審理が始まった。トランプ氏側は却下するよう求めている。

 訴えを起こしたのは、トランプ氏がかつて司会を務めたテレビ番組「アプレンティス(The Apprentice)」に出演していた訴えたサマー・ザーボス(Summer Zervos)さん。2007年に雇用機会について話し合うためとしてビバリーヒルズ(Beverly Hills)にあるホテルでトランプ氏と会った際、キスをされたり体を触られたりしたと主張している。

 ザーボスさんはトランプ氏の大統領就任3日前に当たる今年1月17日に提訴。訴状では、トランプ氏がザーボスさんに関する「虚偽の陳述」によって、ザーボスさんを「侮辱し中傷した」としている。

 トランプ陣営には証拠提出命令が出されていたが、同氏は「私に言えるのは、完全なフェイク(偽)ニュースだということだけだ。フェイクのでっち上げで、卑劣なことだが、政治の世界ではこうしたことが起こる」と意に介さなかった。

 トランプ氏の外部弁護士であるマーク・カソウィッツ(Marc Kasowitz)氏は、合衆国憲法の条項に触れ、州は「大統領に対してどんな影響をも及ぼすことができない」と主張。また大統領の職務と大統領個人を切り離すことはできず、大統領を裁判所での審理や実際の公判に出席させることはできないとした。

 カソウィッツ氏はさらに、「大統領は行政機関のトップを務める個人であり、毎日24時間、業務可能な状態であるべきだ」と述べた。(c)AFP