【12月6日 AFP】米国土安全保障省は5日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権1年目と重なる会計年度(今年9月までの1年間)の不法入国・滞在者の逮捕者数を発表し、中米諸国などからの越境者が激減するとともに、不法移民の逮捕者が急増したと明らかにした。

 同省のエレーン・デューク(Elaine Duke)長官代行は、「法を執行し、国境の安全を守る警備隊員と国土安全保障省の職員を支援する大統領の尽力が功を奏した結果だと認識している」と強調した。

 入国審査を管理する同省の主要機関の一つ、移民税関捜査局(ICE)が1年間に逮捕した不法滞在者は、前年度比30%増の14万3470人。トランプ氏が大統領に就任した1月以降に限れば40%の増加だった。

 移民支援団体などは当局が家族と職を持つ長期の滞在者を軽微な違反で一斉に捕らえ、国外退去させていると非難している。その一方、ICEのトーマス・ホーマン(Thomas Homan)局長代理は「教会や病院で人々を逮捕していることで、われわれは無差別な捜索や取り締まりを行っているとたびたび非難されている」「対象を限定した取り締まり活動を実施しており、誰をどこで逮捕するのかについては十分把握している」と反論している。

 また同省税関国境警備局によると、違法に国境を越えようとして拘束された人は31万531人で、ほとんどがメキシコとの国境沿いで拘束された。また、この数は前年度から過去最低レベルにまで減少したという。(c)AFP/Cyril JULIEN