【12月6日 AFP】米議会で最長となる50年以上の議員歴を誇り、市民権運動の象徴的指導者の一人でもあるジョン・コンヤーズ(John Conyers)民主党下院議員(88)は5日、議員を辞職すると表明した。コンヤーズ氏に対しては、複数の元スタッフの女性にセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を行った疑惑が持ち上がっていた。

 コンヤーズ氏はデトロイト(Detroit)のラジオ局に対し「私は今日、辞職する」と述べた。セクハラ疑惑に直面している現職議員は4人いるが、辞職したのはコンヤーズ氏が初めて。同氏はその上で、下院議員の後継候補として息子のジョン・コンヤーズ3世(John Conyers III)氏を指名した。

 コンヤーズ氏がストレスに関連する合併症の治療を受けたとされる病院によると、同氏は自身のセクハラ疑惑について「真実ではない」と述べ、どこからそんな疑惑が出てきたのかわからないと一貫して主張していたという。

 この2週間に元スタッフの複数の女性がコンヤーズ氏からセクハラを受けたと名乗り出ており、そのうちの一人、マリオン・ブラウン(Marion Brown)さんは先週、同氏の事務所を辞める際に2万7000ドル(約300万円)とされる和解金を受け取って結んだ守秘義務契約を破って告発した。マリオンさんは、声を上げなければならないと感じたと述べている。

 現職議員ではコンヤーズ氏の他に、アル・フランケン(Al Franken)民主党上院議員、ルーベン・キーウェン(Ruben Kihuen)民主党下院議員、ブレイク・ファレンソールド(Blake Farenthold)共和党下院議員の3人にセクハラ疑惑が浮上している。(c)AFP/Michael Mathes