【12月6日 AFP】(更新)国際オリンピック委員会(IOC)は5日、国家ぐるみでのドーピングが指摘されているロシアについて、来年2月に開催される平昌冬季五輪への参加を禁止すると発表した。ただしロシア選手については、「厳格な条件下」での出場を認めるとしている。

 ロシアによる国家ぐるみのドーピングは十数年にわたり続き、2014年に同国で開かれたソチ冬季五輪で最大規模に達したとされ、IOCはその証拠を検証した上で、今回の発表に至った。

 国レベルで五輪出場が禁じられたのは、アパルトヘイト(人種隔離政策)時代の南アフリカをはじめ過去にも例があるが、ドーピング絡みで一国全体に出場禁止処分が出されたのは今回が初めて。IOCは、ロシア選手については「五輪旗の下で」個人での出場は認めるとしている。

 IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は、ロシアの国を挙げてのドーピングは「五輪とスポーツの高潔性に対する前代未聞の攻撃」だと断じた。

 さらにIOCはロシアのビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)副首相に対し、五輪への関与を生涯にわたり禁止する処分を科した。

 昨年のリオデジャネイロ五輪からも排除されていたムトコ氏は、世界反ドーピング機関(WADA)がリチャード・マクラーレン(Richard McLaren)独立調査官に委託してまとめた報告書で、当時のロシアのスポーツ相としてのドーピング関与が取り沙汰されていた。(c)AFP