【12月5日 AFP】オランダの著名バイオリニスト、アンドレ・リュウ(Andre Rieu)氏が、法に反して深夜に子どもたちに演奏をさせたとして罰金11万6000ユーロ(約1500万円)の支払いを命じられたことを不服として訴えていた裁判で、オランダ・リンブルフ(Limburg)の地方裁判所は4日、リュウ氏に対する罰金の取り消しを命じた。

 オランダの法律は、午後11時以降に未成年者が演奏することを禁じているが、リュウ氏は2015年にルーマニアで行った7回の公演で午後11時以降にパンフルート奏者の若者たちと一緒に子どもたちを舞台に立たせたとして、オランダ政府から罰金11万6000ユーロ(約1500万円)の支払いを命じられた。しかしリュウ氏側は、罰金は「理不尽なほど高額」だとして今年10月に不服を申し立てていた。

 これについてリンブルフ地裁は4日、子どもたちの雇用主がリュウ氏だと示す証拠はほとんどなく罰金を科す根拠はないとして、リュウ氏に対する罰金支払い命令を却下した。

 問題とされた公演は、リュウ氏が自身の故郷マーストリヒト(Maastricht)でルーマニア人のパンフルート奏者ゲオルゲ・ザンフィル(Gheorghe Zamfir)氏と行ったコンサートに子どもたちを招待したもの。

 リュウ氏の弁護士は、子どもたちはコンサートの最後に観客に向かって数分間手を振っていただけで、リュウ氏がいつも慣習として行っているものだと主張。リュウ氏も、ザンフィル氏と共演したコンサートで子どもたちを雇用したのは自分ではないと述べている。

 カーリーヘアとロックスターのようないでたちが印象的なリュウ氏は世界で最も有名な現代バイオリニストとして知られ、レコードの売上枚数は4000万枚を超える。(c) AFP