【12月2日 AFP】米大リーグ(MLB)のオーナー会議は1日、日本人選手を対象としたポスティングシステム(入札制度)の新協定を承認し、プロ野球・北海道日本ハムファイターズ(Hokkaido Nippon Ham Fighters)に所属する大谷翔平(Shohei Ohtani)の争奪戦が正式に解禁されることになった。

「日本のベーブ・ルース(Babe Ruth)」と称される23歳の大谷は、投げれば時速160キロの速球を誇り、打席に立っても爆発的な打撃力を示す「二刀流」の選手として、球界屈指の逸材の一人として評価されている。

 大谷にはMLBからも熱い視線を注がれていたが、日本の球団が米国に戦力を奪われる見返りを受け取るための新しい入札制度をめぐり移籍への動きがここまで保留になっており、ようやくその問題が決着。2000万ドル(約22億4000万円)を上限とした譲渡金で晴れて入札が可能となり、MLB球団との契約に向けて今月22日までの約3週間にわたり交渉に臨むことになった。

 2017年シーズンは足首のけがに悩まされたものの、大谷は2016年シーズンは投手として計140回を投げて10勝4敗、防御率1.86の好成績を上げたほか、打者としても打率.322、本塁打22本を記録しており、素晴らしい戦力としてどの球団に移籍するのかは大きな注目を集めている。

 米複数メディアの報道によると、大谷の争奪戦にはテキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)をはじめ、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)、シカゴ・カブス(Chicago Cubs)、シアトリ・マリナーズ(Seattle Mariners)などが名乗りを上げている。

 レンジャーズやヤンキース、そしてミネソタ・ツインズ(Minnesota Twins)などは最も資金が豊富であるとみられている中、大谷と契約を結ぶには「国際ボーナス・プール(米国以外の若手選手と契約する際の契約金額の上限)」で契約金の上限が決められている。また、MLBと日本野球機構(NPB)が新たなポスティングシステムに関する作業を進める中で、同選手の入札については2013年に制定された現行システムが適用されることで合意に至った。

 日米間で移籍する選手全員を対象に2018年11月1日から適用されることになっている新協定では、移籍する場合の譲渡金は契約の総額によって変動し、メジャー契約の総額が2500万ドル(約28億円)以下だった場合はその20パーセント、5000万ドル(約56億円)までは同17.5パーセント、5000万ドルを超えた場合は同15パーセントとなる。

 契約内容にボーナス、年俸+出来高またはオプションなどが含まれる場合は、譲渡金が上乗せされる可能性がある。さらにNPBの選手に入札できる期間は、11月1日から12月5日までに短縮されることになった。(c)AFP