【11月30日 AFP】米テレビ局NBCの人気番組に出演しているニュースキャスター、マット・ラウアー(Matt Lauer)氏(59)が、性的違法行為を行なったとして解雇された。同局が29日、明らかにした。セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)の一連の訴えに揺らぐメディア、エンターテインメント業界からまた1人、有力者がその地位を失った。

 米テレビ視聴者にお馴染みのラウアー氏は、NBCの朝の人気ニュース番組「トゥデイ(Today)」の司会者を20年以上勤めた。また、2001年9月11日に発生した米同時多発攻撃から大統領選挙、五輪に至るまで、同局の主要ニュースを報じてきた。

 NBCは、ラウアー氏が職務中に不適切な性的行為を行なったとする同氏の同僚の1人からの詳細な説明を受け、今回の解雇に至ったと発表した。

 米国では映画界の大物ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏のセクハラ疑惑問題をきっかけに、映画やテレビ、報道業界の有力者らによる性的違法行為、セクハラ、性的暴行疑惑に対する怒りが高まっており、その中にラウアー氏も含まれることになった。

 10人以上の女性からセクハラ被害を受けたと非難されたドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、このニュースに飛びつき、NBCとその親会社の幹部も偽ニュースを流したことで解雇されるべきだとツイッター(Twitter)に投稿した。

 トランプ大統領は昨年の大統領選挙の最終盤で、過去に女性の体を触ったことを下品な言葉で自慢げに語る映像が明るみに出たことで、公に謝罪している。

 だが、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は29日、トランプ大統領は当選直後、ある共和党の上院議員に「あれは自分の声だと思わない」と語っていたと報じている。(c)AFP/Daniel WOOLLS