【11月29日 AFP】インドで、イスラム教徒と結婚したことでヒンズー教徒の両親によって家に監禁されていた女性をめぐる裁判で、同国の最高裁は27日、女性を解放し、さらに学業を終えるのを認めるよう命じる判決を下した。

 アキラ・アショーカン(Akhila Ashokan)さん(25)は昨年12月、イスラム教徒の男性と結婚。しかし、ヒンズー教徒である父親の訴えにより、同国南部ケララ(Kerala)州の裁判所は今年5月、アショーカンさん本人の希望に反して結婚を無効とし、両親の元に戻るよう命じた。

 この決定に女性の権利擁護を訴える活動家らが激しく反発。アショーカンさんもイスラム教への改宗は強制されたものではないと主張していたものの、ヒンズー教徒が多数を占める同国のナショナリストたちの間で物議を醸した。

 結婚が無効とされて以来、アショーカンさんは両親の自宅から外出することを許されず、学業も中断を余儀なくされていた。

 その後、アショーカンさんの夫が結婚の無効判断を不服として上告。最高裁で審理が行われ、アショーカンさんは「自分の自由が欲しい、解放されたい」「夫に会いたい。違法に監禁されている」と主張した。アショーカンさんはイスラム教に改宗して結婚した後、名前をハディヤ(Hadiya)に変えている。

 最高裁の判事らは判決で、アショーカンさんを同国南部タミルナド(Tamil Nadu)州に戻し、復学させるよう命じた。(c)AFP