■「憂慮する理由がない」ということではない

 一方で、「残念ながら今回の結果は、グレートバリアリーフのサンゴが安全で、非常に良い状態にあり、憂慮する理由が全くないことを示唆するものでは決してない」と、ホック氏は続けた。

「実際に、今回の研究で、このように回復力に富むサンゴ礁が全長2300キロの巨大なグレートバリアリーフ全体で約100か所しか見つからなかったという事実は、重要区域に対して局所的に効果的な保護措置を講じることと、この壮大な生態系を支えるために炭素排出量を削減することの両方の必要性を浮き彫りにしている」

 グレートバリアリーフはここ2年、前例のない規模の白化現象に見舞われ、全体の3分の2以上に壊滅的な影響が及んでいると、専門家らは指摘している。

 サンゴ礁は地球の海洋環境の1%足らずを構成するにすぎないが、海洋生物の約25%が生息しており、多種多様な魚の成育場として機能している。(c)AFP