【11月29日 AFP】大相撲の平幕貴ノ岩(Takanoiwa)に酒席で暴行し負傷させた横綱日馬富士(Harumafuji)が29日、現役を引退することが分かった。師匠の伊勢ケ浜(Isegahama)親方が明かした。

 伊勢ケ浜親方は同日、モンゴル出身の日馬富士は同胞の貴ノ岩の頭部を殴って負傷させた先日の事件で日本相撲協会(Japan Sumo Association)に迷惑をかけたと地元メディアに話している。

 相撲界では2010年、同じくモンゴル出身の元横綱朝青龍(Asashoryu)が都内で酒に酔って暴行事件を起こした末に現役を退いており、今回の日馬富士の引退は当時の不祥事とも重なる。

 横綱は力士としての強さだけでなく、その品格も問われる立場だが、日馬富士は生活態度を注意されていた際に貴ノ岩が携帯電話を操作したため殴ったと認めたことで、引退の文字もちらついていた。

 5年前に横綱に昇進した33歳の日馬富士は、貴ノ岩を手やカラオケのリモコンで殴ったことは認めたが、その際にビール瓶を使用したとされる報道については否定していた。しかし、27歳の貴ノ岩の親方は、事件を受けて警察に被害届を提出。警察はその後、日馬富士に事情聴取を行っていた。(c)AFP/Alastair HIMMER