【11月29日 AFP】(更新)オーストラリア議会上院は29日、同性婚合法化法案を賛成43、反対12で可決した。宗教の自由の保護拡大を求める保守派の主張を退け、同性婚合法化に向け大きく前進した。

 同性婚合法化の賛否を問う国民投票で賛成派が多数を占めたことを受け、大半の議員は国民の意思を尊重するとしており、法案は数週間以内に下院も通過するとみられる。

 同性愛者であることを公表している労働党のペニー・ウォン(Penny Wong)上院議員は、「私たちがLGBTIQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス、クィア)の仲間たちを受け入れると上院が宣言する日、私たち全員が受容、一体性、敬意、祝福という行為の一部となる」と喜びを表した。

 法案をめぐっては、保守派が同性愛者の結婚式の執行拒否を聖職者に認め、パン店や生花商といった業者にまで拡大することを求めていたが、こうした主張は退けられた。

 10年以上にわたる議論の末、今月オーストラリアで行われた同性婚合法化の賛否を問う国民投票では、投票した1270万人のうち62%が賛成票を投じ、同性婚合法化の支持を明確に示した。

 同性婚合法化の実現を目指している活動団体「イコーリティーキャンペーン(Equality Campaign)」のアナ・ブラウン(Anna Brown)氏は、「この勝利は平等を目指す支持者らの10年以上にわたる活動が結実したもの」だと強調した。(c)AFP