【11月28日 AFP】ドイツの首都ベルリンで27日、毎年恒例のクリスマス市がブライトシャイト広場(Breitscheidplatz)で始まった。昨年のクリスマス市ではチュニジア国籍の男が運転するトラックが同広場に突っ込み、12人が死亡、70人以上が負傷する事件が発生したことから、今年は新たな安全対策が導入された。

 ブライトシャイト広場にはクリスマスの電飾やシュトレーン、ホットワインの屋台に加え、コンクリートのブロックが設置され、警備に当たる警官も増員された。

 広場に面したカイザーウィルヘルム記念教会(Kaiser Wilhelm Memorial Church)のマルティン・ゲルマー(Martin Gelmer)氏は、「またクリスマス市を開催できることを皆が喜んでいる」と語る一方で、「ここで多くの人が亡くなり、いまも重い障害を抱えて生きている人たちがいる」と付け加えた。

 クリスマス市の主催者は、来年1月7日に市が終了するまでに100万人の来場者を見込んでいる。

 ドルトムント(Dortmund)から訪れていた67歳の女性は襲撃事件のことが頭から離れないという。「ここは安全な場所ではないし、防護することは不可能。だから少し怖い」

 一方、米コロラド(Colorado)州からやってきたという73歳の女性は「クリスマス市はドイツの慣習の一部」と動じない。クリスマス市を見て歩くのは「とても快適」と話すこの女性は、ドイツ滞在中にできるだけ多くのマーケットを訪れたいという。

 クリスマス市での新たな安全対策は、ベルリン以外の都市でもとられている。独紙ビルト(Bild)によれば、東部マクデブルク(Magdeburg)では4万ユーロ(約530万円)を投じてレゴ(Lego)ブロックの形をしたコンクリートのブロックを設置したという。(c) AFP