【11月28日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王(80)が27日、初めて訪問するミャンマーへ到着した。訪問日程は4日間。ミャンマー政府は現在、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)への対応をめぐり国際社会から非難を浴びており、微妙なタイミングでの訪問となる。

 法王の訪問団に同行しているAFP特派員によると、一行が乗った航空機は27日午後、ヤンゴン国際空港へ到着した。空港にはミャンマーのカトリック教徒らが色鮮やかな伝統服などを着て集まり、旗を振ったり踊ったりして法王訪問を歓迎した。

 ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州では少数民族ロヒンギャが弾圧を受け、過去3か月間でロヒンギャ62万人以上が隣国バングラデシュへ避難している。ローマ法王の訪問は、ミャンマー政府に対する圧力を強めることになるだろう。

 これまでにローマ法王は、ロヒンギャの「兄弟姉妹」たちの窮状が緩和されるよう繰り返し訴えてきた。だがミャンマーでは、イスラム教徒のロヒンギャは不法に移住してきた「ベンガル人」とみなされている。ローマ法王が「ロヒンギャ」という言葉を使っていることについては、強硬派の仏教徒が反発する可能性がある。

 ローマ法王は訪問中、ミャンマー民主化の指導者、アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問とも会見する予定だ。スー・チー氏はこれまでロヒンギャ問題について積極的に発言していないことから、ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者としての輝きに影が差している。

 さらにミャンマー軍司令官ミン・アウン・フライン(Min Aung Hlaing)国軍総司令官との会見も予定されている。同司令官はロヒンギャを国外へ追放する残酷な作戦を率いていると非難されており、難民の権利を擁護する宗教指導者である法王との会見の行方が注目される。(c)AFP