【11月25日 AFP】入店したら上着もズボンも、タブーも全部脱ぎ捨てよう──フランスの首都パリに今月、本格的なフランス料理を全裸で食べられるレストランがオープンした。

 パリ初のヌーディスト(裸体主義者)向けレストランをうたう「オー・ナチュレル(O'naturel)」は、南西部の閑静な脇道にある。双子の兄弟マイク・サーダ(Mike Saada)さん(42)とステファン・サーダ(Stephane Saada)さん(同)が考案した。

 元保険外交員のサーダ兄弟はどちらもヌーディストではない。だが、ヌーディストたちの休暇旅行先として今フランスが一番人気となっている点に着目し、商機と捉えたのだという。「皆、夏にしかヌーディストにならないからね」とステファンさん。

 フランス各地には裸で過ごせるヌーディストスポットが約460か所あるが、ビーチやキャンプ場など屋外がほとんどで、11月ともなると寒くて仕方ない。一方、オー・ナチュレルの店内はずっと暖かい。

「パリのど真ん中にいて、全裸で食事をしているんだ。ちょっとシュールだよね」。オー・ナチュレルの店内で20あるテーブルの一つに着座したヌーディスト団体「フランス・ナチュリズム連盟(FFN)」のイブ・ルクレール(Yves Leclerc)会長は、服を全部脱いでディナーを楽しむというアイデアに感動したと話した。

 英ロンドン、豪メルボルン、東京と、世界各地に相次いで期間限定のヌーディストレストランが出店する中でオープンしたオー・ナチュレルの売りは、装飾を抑えた内装と、ロブスターやフォアグラ、エスカルゴのパセリクリームソース仕立てといった高級フランス料理の3品コースを49ユーロ(約6500円)と手ごろな価格で楽しめる点だ。

 レストランの窓には大きな白いカーテンが掛かり、食事中に外からのぞき見される心配はない。来店客はクロークで衣服を脱がなければならず、客同士での盗撮防止のため携帯電話も持ち込み禁止。足元も支給されるスリッパに履き替えるが、食事客の4割を占める女性客はハイヒールを履いたままでの入店もOKだそうだ。

 営業はディナーのみで完全予約制。「ヌードは必ずしも性的なものではない」とマイクさんは話している。(c)AFP/Marie GIFFARD