【11月25日 AFP】イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)でプレーするマルアン・フェライニ(Marouane Fellaini)は現在、米スポーツ用品大手ニューバランス(New Balance)を相手取り、同選手いわくパフォーマンスにマイナスの影響を与えた「欠陥スパイク」をめぐる200万ポンド(約3億円)の訴訟を起こしている。

 フェライニの代理人を務めるロサリナ・インベストメンツ(Rosalina Investments)社によると、ベルギー代表の同選手はクラブの用具係が「蒸気を当てて伸ばしてから」スパイクを着用する必要があったとされている。しかし、ニューバランス社側はその主張に疑問を呈しており、特定のスパイクに不快感があるとフェライニからクレームを受けたあと、別の特注品に交換したと反論している。

 フェライニ側とニューバランス社側の弁護士から英ロンドンの高等法院に提出された書類で双方のやり取りの詳細が明らかになっており、その中にはメッセージアプリ「ワッツアップ(WhatsApp)」で交わされた内容が証拠として示された。

 ロサリナ・インベストメンツ社が説明したフェライニの主張の概要は、「ニューバランスから供給されたスパイクは質が悪く、フェライニ氏の足に深刻なダメージを与えた。スパイクのクオリティーの低さについて、同氏は何度も不満を訴えていた」となっている。しかし、ニューバランス社側の弁護士は、問題は解決済みだと主張している。

 フェライニは2016年8月に送った「ワッツアップ」のメッセージで、より幅と長さを広げたスパイクを注文。同年9月30日午前2時10分には、「大問題だ。まったく快適じゃない」とすると、「ハロー、僕の友人。今夜の試合では90分間出場したが、試合後には歩けなくなり、眠れなくなっている。ひどい痛みがある」と訴えた。同年11月には「新しいもの」を受け取ったものの、それらは「やはり同じ質で、伸ばさなければならなかった」という。

 9月にフェライニが受け取ったニューバランス職員からの返信では、「修正は可能です、わが友。この件については責任者が処理しています」というメッセージのほかに、「ナイキ(Nike)のスパイクをコピーしています。間もなく新しいものが届くでしょう。ナイキのような品です」という内容もあったとされている。

 また、ニューバランス社側の弁護士は、2016年12月に行われたやり取りで、同社の従業員が新しいスパイクは「前の靴よりも心地よく履けていますか?」と尋ねた際、フェライニは「ああ」と返信したという。さらに翌年1月にも「スパイクの履き心地はどうですか?」というメッセージに対し、同選手は「完璧なスパイクだ」と答えたと主張した。(c)AFP