【11月25日 AFP】(更新)エジプトの北シナイ(North Sinai)県で24日、武装集団がモスク(イスラム礼拝所)を爆弾と銃で襲撃した事件は、死亡した信者が少なくとも235人に達し、同国で近年最悪の惨事となった。

 現場は同県の県都アリーシュ(El-Arish)から約40キロ西に位置し、イスラム神秘主義者のスーフィー(Sufi)らが多数礼拝に訪れるローダ(Rawda)モスク。当局者らによれば、武装集団は爆弾を爆発させた後、金曜礼拝のために集まっていた信者らに向かって発砲を始めた。

 目撃者らの話では、武装集団はモスクを複数台の全地形対応車(ATV)で包囲し、建物の外に爆弾を仕掛けた後、パニックに陥って逃げようとする信者を次々と射殺。さらに、信者らの車に火をつけてモスクにつながる道をふさいだ。

 検察当局は声明を出し、この襲撃で少なくとも235人死亡、109人が負傷したと発表。犠牲者の中には、モスクで祈りをささげていた一般市民や徴集兵らが含まれる。同国ではここ4年、イスラム過激派による騒乱が続いているものの、この規模の事件は前例がない。

 エジプトのアブデルファタハ・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領は3日間の国喪を宣言するとともに、襲撃に対し「容赦ない実力行使で応じる」と誓った。現時点で、この事件の犯行声明は出ていない。

 エジプト軍の報道官は24日、その後、空軍機が出撃し、襲撃に使われた車両数台と武器や弾薬が保管されていた「テロリスト」のアジトを破壊したと発表した。(c)AFP/Samer AL-ATRUSH