【11月24日 AFP】フランス・パリのルーブル美術館(Louvre Museum)で23日、世界唯一の美術品専用の粒子加速器が稼働を始めた。古代の貴重な美術品の分析などに用いられる。

 同美術館地下に格納された全長37メートルのAGLAE加速器は、フランス美術館修復研究センター(C2RMF)が210万ユーロ(約2億8000万円)を投じて整備と改良を行った。今回初めて、有機物で制作された絵画などの作品の定期的調査、真贋(しんがん)判定などに活用される。

 AGLAE加速器はヘリウムと水素の原子核を毎秒2万~3万キロメートルに加速して物体に衝突させ、放出された放射線を捕捉し分析する。同加速器を使用すれば、作品から試料を採取することなく化学組成を判定することができる。

 最初に調査される作品には、古代ローマの家の守護神とされるラレス(Lares)の彫像などがある。映像は21日撮影。(c)AFP