【11月24日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のオンラインプロパガンダチャンネルが22日から23日にかけて丸1日以上沈黙した。理由は明らかになっておらず、専門家は前例がない事態だと指摘している。

 ISはメッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」を使って軍事行動の成果や襲撃事件の犯行声明などを放送してきたが、グリニッジ標準時(GMT)22日午前9時から23日午前10時1分まで(日本時間22日午後6時から23日午後7時1分まで)一切投稿を行わなかった。

 英国に拠点を置く過激化・政治暴力研究国際センター(ICSR)のチャーリー・ウィンター(Charlie Winter)上級特別研究員はAFPに対し「ここ数週間、ISメディアの投稿の減少が特に顕著だ」「しかし24時間完全に沈黙することなどこれまでなかった」と述べた。

 ISはテレグラムのチャンネルに通常、戦果についての多言語放送から自称「カリフ制国家」内の市民生活まで1日に10本以上のメッセージを投稿している。

 ウィンター氏によると、イラクとシリアにおける対IS作戦を支援している米主導の有志連合は、メディア投稿に関わるIS戦闘員を特に標的にしてきた。このことがISの投稿の減少につながった可能性もある。

 米主導の有志連合のライアン・ディロン(Ryan Dillon)報道官によると、有志連合は2017年、イラクとシリアでISの通信施設を少なくとも500か所破壊したほか、ISのメディア要員も数人殺害している。(c)AFP