【11月24日 AFP】国際スキー連盟(FIS)は23日、国際オリンピック委員会(IOC)から永久追放処分となったロシアのクロスカントリースキー選手6人のW杯出場を、暫定的に認めると発表した。

 FISは声明で、2014年ソチ冬季五輪の50キロメートルフリーで金メダルを獲得(その後失格)したロシアのアレクサンドル・レグコフ(Alexander Legkov)のほか、同国の5選手に対するのIOCの処分は、法的拘束力がある証拠に基づくものではないとし、「これを受けて、FISとしてはIOCの懲戒委員会による裁定と証拠を待った上で次の手順を踏むものとする」と説明した。

 国家ぐるみのドーピング疑惑が持たれているロシアに対する2018年平昌冬季五輪の参加可否については、来月5日から7日まで開かれるIOC理事会で決定されることになっている。

 今回暫定的にW杯出場が認められたロシアのスキー選手は、レグコフのほかにエフゲニー・ベロフ(Evgeniy Belov)、2013年ノルディックスキー世界選手権(FIS Nordic World Ski Championships)で金メダルを獲得したアレクセイ・ペトゥホフ(Alexei Petukhov)、2015年には世界選手権も制しているマキシム・ビレグジャニン(Maxim Vylegzhanin)、さらにエフゲニア・シャポワロワ(Evgenia Shapovalova)とユリア・イワノワ(Yulia Ivanova)の6人となっている。

 この6人に対するFISの方針を受け、フィンランド・ルカ(Ruka)で24日に開幕する今季初戦を控えるライバル選手は猛反発を示すものとみられている。

 2011年の世界選手権でチームリレーを制しているカナダのデボン・カーショー(Devon Kershaw)は、FISが今回の決定を発表する前から、「IOCから永久処分となった選手たちが現在もレースで勝っているなんて、われわれのスポーツが(子供番組の)『ミッキー・マウス・クラブ(Mickey Mouse club)』になっていることを示している」と激怒。ドイツのアンドレアス・カッツ(Andreas Katz)も、「五輪の出場を禁じられたクロスカントリーのスキー選手が、W杯に参戦できるなんてあり得ない」とコメントした。

 世界反ドーピング機関(WADA)の独立調査官であるリチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏がまとめた報告書で、ロシアが2011年から15年にかけて国家ぐるみのドーピングを行っていたことが指摘されたことを受け、2016年12月にFISはレグコフのほか5選手に対して出場停止処分を科していた。(c)AFP