【11月24日 AFP】アルゼンチン海軍の潜水艦が同国沖で消息を絶った問題で、同軍は23日、最後の通信があった海域付近で検出された異音は爆発音とみられると確認した。同艦と44人の乗組員らの発見に向けた最後の望みを打ち砕く発表となった。爆発があったのは、15日の通信が途絶えた直後だったとされる。

 アルゼンチン国内では、マルデルプラタ(Mar del Plata)の海軍基地に向かっていたはずの潜水艦「サンフアン(ARA San Juan)」の帰港が遅れていると17日に伝えられて以来、同艦と乗組員の安否に注目が集まっている。

 アルゼンチン海軍のエンリケ・バルビ(Enrique Balbi)報道官は首都ブエノスアイレスでの記者会見で、異音に関し、「異常な、単発の、短く激しい核以外の現象で、爆発と一致する」と述べた。

 事実を伝えられないまま望みを抱き、基地で何日も徹夜してきた乗組員の家族は、海軍がこれまでうそをついていたとして、この発表に怒りを示した。

 海軍によると、同艦は15日にバッテリーの問題を報告し、進路を変えて母港のマルデルプラタに向かうと伝えていた。

 匿名を条件にAFPの取材に応じた元潜水艦司令官の話では、「バッテリーに深刻な問題があると、水素を発生する可能性がある。水素が一定割合を超えると爆発性を帯びる」という。(c)AFP/Liliana SAMUEL / Carlos REYES and Eitan ABRAMOVICH