【11月23日 AFP】受験競争の厳しさで知られる韓国で23日、地震の影響で延期されていた大学修学能力試験(日本の大学入試センター試験に相当)が行われた。

 当初は16日に実施予定だったが、前日に南東部の浦項(Pohang)でマグニチュード(M)5.4の地震が発生し、1週間延期された。震源地に近い試験会場は変更を余儀なくされるなど、約2000人の受験生に影響が出た。

 浦項ではこの1週間で60回を超える余震が続いており、住民およそ1500人が今も避難所での生活を余儀なくされている。

 浦項の試験会場では受験生たちに、試験中に大きな揺れを感じたら机の下に隠れるか、外へ避難するよう指示が出ている。また、余震が起きた場合に予備の試験会場12か所に受験生を移送するため、市内ではバス200台以上が待機している。

 受験生の一人は「地震が心配だけれど、試験に集中しようと勇気を振り絞っている」と聯合(Yonhap)ニュースに語った。

 韓国ではこの日、試験に向かう受験生を邪魔しないよう政府機関や大企業の多くが始業時間をずらし、株式市場も1時間遅れで取引を開始。英語のリスニング試験に合わせて航空機の離着陸が制限されている。また、各地の試験会場では遅刻しそうな受験生を警察がパトカーや白バイで送り届ける様子が見られた。(c)AFP