【11月23日 AFP】ジンバブエのロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領(93)の辞任を受け、次期大統領に就任するエマーソン・ムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)前副大統領(75)が22日帰国し、演説で「完全な民主主義」を実現すると誓った。だが、同氏もまたムガベ氏と同じく残忍さと汚職で悪名高く、国民の間では「第2のムガベ」になると危惧する声も根強い。

「きょうからジンバブエに完全な民主主義が広がっていく」。この日、南アフリカから帰国したムナンガグワ氏は首都ハラレで、大勢の支持者を前にそう宣言した。同氏が国民の前で演説したのは、後継をめぐる対立からムガベ氏によって6日に副大統領を解任されてから初めて。この解任が軍による介入とムガベ氏の辞任につながった。

 24日に新大統領に就くムナンガグワ氏だが、つい最近までムガベ氏の最も古参で最も近い側近の一人だった。与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU-PF)の強硬派の閣僚として知られ、ムガベ氏同様、反対派を抑圧し、自由を制限し、圧政を敷くのに腐心するのではないかと疑わせる材料もそろっている。

 銀行員のパトリック・モヨ(Patrick Moyo)さん(38)はAFPの取材に「彼(ムガベ氏)がいなくなってすごく安心しているけれど、新しいやつ(ムナンガグワ氏)に喜びすぎてもいけない。国民は彼が過去にしたことを忘れてはだめだ」

 ムナンガグワ氏はムガベ政権時代、政府が主導した最も悪名高い弾圧2件の責任者だったと非難されている。