【11月23日 AFP】アルゼンチン海軍の潜水艦が同国沖で消息を絶ってから、22日で丸1週間が経過した。艦内の酸素が尽きたと懸念され、乗組員44人は生存の希望が薄れつつある。同海軍は、最後の通信があった数時間後に現場海域で「異音」が検出されたことを明らかにしたが、爆発によるものなのかは確認していない。

 アルゼンチン軍の潜水艦「サンフアン(ARA San Juan)」は15日に同国沖の南大西洋を航行中に連絡が途絶えた。当局によると、艦内にはその時点で乗組員が7日間生き延びられる量の酸素があった。しかしグリニッジ標準時(GMT)22日午前7時30分(日本時間同日午後4時30分)、その7日間を過ぎた。

 周辺海域では海面と海底で大規模な捜索活動が行われているが、アルゼンチン海軍のエンリケ・バルビ(Enrique Balbi)報道官は同日の記者会見で「現時点では行方をつかめていない」とし、「捜索は続いている。どんな種類の通信も検出されていない。手掛かりは全く無い」と語った。

 バルビ報道官はその後、サンフアンが15日に最後の通信を行ってから約3時間後、その海域から北に48キロの海中で「異音」を検出したと発表した。ただ、爆発だった可能性があるかという質問には「裏づけや検討が必要」と述べるにとどめた。

 さらに「きわめて危険な状況になっている。悪化の一方だ」と続けた。海軍がなぜこの日になって異音の事実を公表したのかは不明。

 アルゼンチン沖320キロ付近で行われている捜索は、最大6メートルの高波と視界の悪さで難航している。(c)AFP/Liliana SAMUEL, Carlos REYES and Eitan ABRAMOVICH