【11月23日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は22日、ソチ冬季五輪の男子スケルトンで金メダルを獲得したロシアのアレクサンドル・トレティアコフ(Alexander Tretiakov)を失格処分とした。

 ロシアの組織的ドーピングを調査したデニス・オズワルド(Denis Oswald)氏による懲罰委員会の結論に基づいて下された今回の決定により、トレティアコフは2018年平昌冬季五輪にも出場できないことが決まった。

 ロシアの選手ではこのほか、ソチ五輪の女子スケルトンで銅メダルを獲得したエレーナ・ニキティナ(Elena Nikitina)、マリア・オルロワ(Maria Orlova)、オルガ・ポティリィツィナ(Olga Potylitsina)らが同日、トレティアコフと同様の処分を受けている。

 ロシアはこの決定に対し即座に反応しており、同国ボブスレー連盟は声明で「法的規範と基本的な権利が侵害されていると考えている。われわれは選手の潔白を信じている。あらゆる手段を用いて彼らの権利を守るつもりだ」と発表。また、ビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)副首相は国営タス通信(TASS)で、「選手の意見は聞き入れられなかった。今回調査された選手が処分されることは既定路線であったと考えている」と話した。

 世界反ドーピング機関(WADA)に調査を任命されたリチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏が2016年にまとめた報告書でロシアの国家ぐるみのドーピングが指摘されたことを受け、IOCはオズワルド氏による懲罰委員会を設置。同委員会は現在までにロシア選手がソチ五輪で獲得した6個のメダルを剥奪している。

  IOCは来月5日、ロシアを平昌五輪で出場禁止とするかどうかの判断を下す予定となっている。(c)AFP