【11月25日 CNS】中国の司法機関による競売がインターネットオークションを通じて行われ、航空機3機が20日、出品された。大手宅配会社順豊速運(SF.Express)の子会社である順豊航空(SF Airlines)が翌21日、3億2000万元(約52億8000万円)で貨物機2機のボディとエンジン8台を落札した。

 インターネットの競売にかけられたのは、3機のボーイング747。今回の競売は、飛行機の保証金を先払いする必要があり、飛行機3機のうち1機の保証金が675万元(約1億1140万円)に上った。

 3機に対し、のべ5人が応札。このほか、約5000人が冷やかしなどの行為で「オークション注意者」として警告を受けたほか、「野次馬」は約80万人に上ったという。出品されたうちの2機は順豊航空が落札した。

 オークションに掛けられた3機は、中国初の外資との合弁による航空貨物運送会社の翡翠国際貨運航空(Jade Cargo International、翡翠航空)が所有していた飛行機。翡翠航空は2014年に経営破たんした後、同社が貨物機として使用していた3機が司法競売でない民間のネットオークションにかけられたが、2015年から6回にわたって出品されたが落札者がなかった。

 今年9月、深セン市(Shenzhen)中級人民裁判所の指導の下、アリババ(Alibaba)傘下のネットオークションにかけられ、初競り価格を約70%値引きした金額に相当する3億9200万円元(約64億6800万円)に設定した。

 アリババグループのオークション事業部、盧維興(Lu Weixing)部長の話によると、ネットオークションは各裁判所の試みの一つで、談合などの弊害を解決できるばかりではなく、成約率や割増率を上げることができ、当事者双方の権益も守られる。現在までに、全国99%の裁判所の司法競売のほとんどは、アリババのオークションで実施されているという。この革新的なシステムには現在、裁判所のほかに税関、財政、税務、国土などの政府部門が参加している。(c)CNS/JCM/AFPBB News