【11月24日 CNS】飲食などで使用された廃棄油(いわゆる「地溝油」)を回収・精製したバイオディーゼル燃料を搭載した海南航空(Hainan Airlines)HU497便が21日午後2時15分(現地時間)、北京首都国際空港(Beijing Capital International Airport)から米・シカゴへと向けて離陸した。中国の航空会社が国際便でバイオディーゼルをジェット燃料に使用したのは初めて。

 同機は米・ボーイング社(Boeing)が開発・製造したボーイング787ドリームライナー。中国石油化工集団(SINOPEC、シノペック)が自社で研究・開発したバイオディーゼルのジェット燃料で、原料は飲食店などで出た廃棄油を採用している。

 出発に合わせて、北京首都国際空港第2ターミナルではレセプションが行われた。中国石化、ボーイング、中国航空油料集団(China National Aviation Fuel Group)など各社が共同で「エコロジー機の新時代の夢を築く」というテーマでバイオディーゼル燃料を使用した国際便の離陸を祝った。

 中国石油化工集団の関連部門責任者はCNSの取材に対し、「今回の飛行に使用したバイオディーゼルのジェット燃料は、中国石化傘下企業が生産した。地溝油15に対し、一般ジェット燃料85の割合で配合し生成されている」と説明する。

 海南航空の担当者によると、今回の飛行は、定期便や長距離便の実現化に向けた試験飛行の一つ。地表・上空での運航や機体の軽量化、CO2削減などの面で、模型分析なども行なったという。今回のテストで得られた蓄積を、今後の経験として広めていくとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News