【11月22日 AFP】中国の故宮博物院(Forbidden City、紫禁城)とバチカン美術館(Vatican Museum)は、中国とバチカン(ローマ法王庁)の外交関係改善を目指す取り組みの一環として、それぞれ美術品40点を交換し展覧会を実施する。

 作品群は来年3月、中国とバチカンで同時に開幕する展覧会で展示される予定。展示作品にはバチカン美術館が所蔵していた中国の陶磁器や絵画も含まれるという。

 バチカンと中国は1951年に断交し緊張関係にあったが、近年は関係修復に努めている。しかし、待望の外交関係回復の動きはこのところ司教の任命権をめぐって鈍化している。

 中国文化産業投資基金(China Culture Industrial Investment Fund)の秘書長を務める朱建成(Zhu Jiancheng)氏は21日、記者会見で「まもなく開催されるこの展覧会によって、中国人民とバチカンの文化交流に新たな幕が開くことを確信している」と述べた。

 朱氏はまた、「この展覧会は相互の理解と信頼の醸成に極めて重要だ。中国とバチカンの間での友好関係を強化し、さらに外交関係の正常化をも促進する」と話した。

 バチカンから中国に貸し出される40点のうち、38作品はバチカンのアニマ・ムンディ(Anima Mundi)博物館が所蔵していた古代中国の美術品。残り2作品のうち1作品は、アーティストの張焔(Zhang Yan)氏がローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王に寄贈したものだという。

 中国側の展覧会は北京で開幕した後、国内4都市を回る。また、バチカンで行われる展覧会には張氏の絵画12点も展示される予定。(c)AFP