【11月22日 AFP】(更新、写真追加)北朝鮮軍の兵士が13日に南北を隔てる軍事境界線にある板門店(Panmunjom)で韓国側に亡命し、北朝鮮側に銃撃された事件で、その兵士を追いかけた別の北朝鮮兵1人が1953年に結ばれた休戦協定に違反して境界線を越え韓国側に入っていたことが分かった。米主導の国連軍司令部(UNC)が22日、当時の映像を公開した。

 UNCが公開した監視カメラの映像によると、脱北兵が乗った四輪駆動車が高速で板門店に突入し、軍事境界線の手前で停止。車から降りた兵士が北朝鮮軍から銃撃されながら韓国側に逃走し、韓国軍の兵士3人に引きずられて安全な場所に移動させられている様子が映されている。

 脱北兵は少なくとも4発被弾して重傷を負ったが、韓国の病院で手術を受け、快方に向かっている。

 映像にはまた、脱北兵を追走していた北朝鮮兵1人が軍事境界線を越え、数メートル進んだところでちゅうちょし、北朝鮮側に引き返す様子も捉えられている。

 UNCの報道官のチャド・キャロル(Chad Carroll)大佐は記者団に、北朝鮮の警備兵の一人が「軍事境界線を数秒間越えた」と説明。休戦協定違反にあたるとして、再発防止のための北朝鮮側に協議を申し入れたことを明らかにした。(c)AFP