【11月22日 AFP】51か国・地域が加盟する大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)は21日、大西洋クロマグロの漁獲枠拡大で合意した。漁獲枠拡大がクロマグロ資源の回復の脅威となる恐れがあると指摘する科学的調査の結果も明らかとなっている。

 複数の関係筋がAFPに語ったところによると、ICCATは東大西洋などでのクロマグロの漁獲枠を少しずつ増やし、2020年までに今年より50%増の3万6000トン引き上げると決定した。

 クロマグロをめぐっては資源の減少を示す調査も明らかとなっており、複数の加盟国からは反対の声も上がっていた。

 東大西洋などで獲れるクロマグロは10年前、絶滅が危惧されていた。ICCATは2010年、非常に高額で取引されることがあるこうしたクロマグロの販売を世界的に禁止することも検討した。実際には行われなかったものの、ICCATは漁獲枠を削減し、密漁を厳しく取り締まった。

 こうした措置は上手くいったが、2016年時点ではクロマグロ資源の完全な回復を宣言するには至らなかった。(c)AFP/Marlowe HOOD