【11月21日 AFP】イスラエルのユバル・シュタイニッツ(Yuval Steinitz)水・エネルギー相は19日、同国軍が運営するラジオ局のインタビューで、イスラエル政府は「多くの」アラブ諸国やイスラム教国と水面下で提携関係を結んでいるが、相手国の意向で国名は公表できないことになっていると発言した。

 今月16日にサウジアラビア国営のニュースサイトがイスラエル軍トップのインタビュー記事を掲載するという異例の動きを見せたことをきっかけに、この問題をめぐる議論が起きていた。

 秘密の提携関係については、先にイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相もかなり露骨にその存在をほのめかしていた。またレバノンのイスラム教シーア派(Shiite)原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)は、サウジアラビアがイスラエルにヒズボラを攻撃するよう圧力をかけていると批判している。

 サウジ政府との関係についての質問されたシュタイニッツ水・エネルギー相は、「わが国は多くのアラブ諸国やムスリム国家と提携関係を結んでおり、その一部は秘密とされている」と答えた。「通常、そういった提携関係を口外しないよう求めるのは相手側の方だ」

 さらにシュタイニッツ氏は「提携関係が進展している間は、わが国は相手国の意向を尊重する。それがサウジアラビアであろうと、それ以外のアラブ諸国やイスラム教国であろうと」と述べた。

 イスラエルとサウジアラビアの間に正式な国交はないものの、両国とも共通の敵であるイランが中東で勢力を伸ばすことを阻止する意向で一致している。

 ネタニヤフ首相はこれまでに何度も、「穏健なアラブ諸国」との関係が改善していると誇らしげに語っている。具体的な国名は明らかにしていないがサウジアラビアなどの湾岸諸国を指しているとみられている。

 ネタニヤフ首相は先週、国会で「穏健なアラブ諸国と協力し、イスラム過激派と対峙(たいじ)する」と述べ、「中東の安全、ひいては中東の平和のためには親交を深め話し合うのが何よりも良いことだ」と付け加えた。

 ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ(Hassan Nasrallah)師は今月10日、サウジアラビアがイスラエルにレバノンを攻撃するよう要請したとの情報を入手したと発言。先週になってイランのハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領も同様の発言をした。(c)AFP