【12月2日 CNS】「学んだ知識は、子どもをリスクから守るよろい」「子どもが自分をうまく表現できないような時に、親は立ち上がって子どもがからかわれる状況を止めるべきだ」

 これは1980年代生まれの母親、楊華(%%Yang Hua)さんの「心配リスト」だ。出産後、子どもと関わる些細なことでも、楊さんにとってはストレスに感じる。しかし、子どもはまだ1歳にもならない。

 妊娠してからしばらくしてから、楊さんは仕事を辞め、自宅で療養に専念。楊さんと夫はそれぞれ長男と長女同士で、両親も喜んで子どもの世話をしてくれたという。しかし、楊さんはあくまでも自分が子育てをすると言い張って、職場復帰の日が延びた。

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 このような焦りは、楊さんだけではない。1980年代生まれの若い親たちにとって、子どもの教育に関する焦りは日常生活の重要な部分になっている。

 楊さんと夫は大学院で知り合った。その後、海外留学を経験した夫は帰国して仕事を探し、2人で上海(Shanghai)に残ることを選んだ。夫は小さい頃から良い学生で理科が良くでき、家庭にも恵まれた。しかし、楊さんは地方の中学校から平均的な大学に進学。有名大学で修士号を取得するため、一生懸命頑張った。「私が子どもの頃に受けた教育がお粗末だったので、私は自分の子にはそのようにさせたくありません」と楊さんはきっぱりと言った。

 その期待が、80年代生まれの親の焦りの原因だ。良い物理的環境の中で、親たちは自分の子どもにより良い質の教育環境を与えたい。

 改革開放後の「一人っ子政策」の下で育った世代は、小さい頃から社会の大きな変化を経験してきた。物質的は日に日に豊かになってはいるが、現実のプレッシャーも小さくない。教育水準は比較的高いが、20代や10代の若者よりは教育の豊かさが欠けているため、次世代の教育に対して非常に要求度が高く、教育熱心だ。

 楊さんは大学で外国語専攻、夫は留学を経験しているので、子どもには「特に話す言葉、英語を母国語にする子どもに負けないようにさせたい」。

 80年代生まれの世代は、すでに社会の重要な中核になっている。その世代の多くは良い家柄や富もなく、自分の専門知識と技能に頼るしかない。教育への焦りは世界のほとんどの親の特徴ではあるが、特に中国の親たちは苦労してお金を貯め、子どもの教育に投資する。さまざまな塾に申し込み、子どもの宿題をチェック、各活動に同行し、学校の先生と「仲良く」する。

 華中師範大学(Central China Normal University)の范先佐(Fan Xianzuo)教授は、親が子どもの進学に対する焦りによって引き起こしている問題は、「恐らくスタートラインでわが子を負けさせたくないからだ」と指摘した。

 南京師範大学(Nanjing Normal University)の殷飛(Yin Fei)助教授は、「親の不安を緩和するには、優れた教育資源の均衡化を進めなければならない。豊富で質の高い教育資源の供給は、根本的に不健康な教育現状を破る」と厳しく指摘した。

 一方、親たちも反省すべきだ。「教育は名門大学に入るだけではなく、良い人間を育てることです」。最近、仕事復帰のための準備を始めた楊さんは、「最も重要なのは保護者が自ら一生懸命に働き、学び、生活をする。子どもに与える影響が一番大きい」と語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News