【11月21日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は21日、ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が暴力を逃れて隣国バングラデシュに大量に避難している問題について報告書を発表し、ミャンマー政府のロヒンギャに対する抑圧が、人種隔離政策「アパルトヘイト」の域に達していると非難した。

 ロヒンギャの武装組織が警察の検問所を襲撃したことへの報復としてミャンマー軍が軍事作戦を強化した8月以降、同国西部ラカイン(Rakhine)州を逃れたロヒンギャは62万人に上る。バングラデシュの難民キャンプの悲惨な状況や、ミャンマー軍による殺人、レイプ、放火といった行為が伝えられるにつれ、世界各地で非難の声が高まっている。

 アムネスティの報告書は、現在の難民危機に至ったロヒンギャへの何年にもわたる迫害を詳述。「国家による支援を受けた」軍事作戦がロヒンギャの生活全てを制限していたも同然だと指摘し、仏教国であるミャンマーでロヒンギャが「ゲットー(強制隔離居住区)のような」暮らしを余儀なくされていると強調した。

 2年間の調査に基づく100ページもの報告書はまた、ミャンマー政府による網目のような抑圧が、法的にも人種隔離政策による人道に対する罪の条件を満たしていると指摘している。

 アムネスティのアンナ・ネイスタット(Anna Neistat)氏は、「ラカイン州自体が犯罪の現場になっている。過去3か月間の軍の暴力による残忍な作戦より、ずっと以前からそうだ」と語った。

 また、ネイスタット氏はミャンマー当局について「非人間的な人種隔離のシステムでロヒンギャの女性や男性、子どもたちを隔離し、脅迫し続けている」と非難した。(c)AFP