【11月21日 AFP】コンゴ民主共和国で今年4月から10月にかけて、警察当局や治安部隊が反政府デモの参加者ら少なくとも53人を殺害していたことが分かった。コンゴ・ カトリック司教会議(CENCO)が20日に発表した報告書で明らかになった。

 CENCOの報告書は、任期切れ後も地位に居座るジョゼフ・カビラ(Joseph Kabila)大統領に対する抗議デモの最中、当局が過度な武力を用いたと指摘。デモを観察していた200人の監視団員によると、6か月で52人が撃たれて死亡し、1人が催涙ガスにより死亡したという。また警官3人もデモ参加者によって殺害されたという。

 報告書によると、負傷者は少なくとも105人で、うち87人が銃弾を受けた。さらに警察当局、軍、治安当局により少なくとも335人が拘束されたという。

 報告書はまた「(デモの最中に起きた)人権侵害の少なくとも98.67%は警察やその他当局による過度な武力行使に基づいている」と指摘。一方でデモ参加者らに対しても、「社会的秩序を損ねる可能性がある行動は全て避ける」べきだと強調した。

 コンゴ政府は警察当局の行為を擁護しており、報告書についても意図に悪意があり、専門性に欠けるとして正当性に疑義を呈している。

 同政府のランバール・メンドゥ(Lambert Mende)報道官は、報告書は発生場所を特定していないとして批判している。(c)AFP