【11月21日 AFP】アルゼンチン沖で同国海軍の潜水艦が消息を絶った問題で、同軍は20日、南大西洋での捜索中に、水中音波探知装置が潜水艦の乗組員が発した可能性がある音を捉えたと発表した。

 潜水艦「サンフアン(ARA San Juan)」は、5日間にわたって行方不明になっている。記者会見した海軍報道官によると、音が検知された場所は沿岸から360キロ沖合にある「(アルゼンチンの)大陸棚の端、平均水深200メートルの海域」で、マルデルプラタ(Mar del Plata)の海軍基地に向かっていた同艦の航路とも一致するという。

 米CNNは米海軍筋の話として、その音は救助隊の注意を引こうとするかのように、潜水艦の船殻をたたいている工具のように聞こえたと伝えている。

 数日前に受信されていた救難信号については、同艦から発信されたものではないと否定されたものの、今回水中音が探知されたことで、乗組員44人の生存の望みが再び出てきた。

 同軍はこれに先立ち、同艦が最後の通信で機器の故障を報告していたことを明らかにした。故障の内容については現時点では不明だが、海軍はそれまで、問題を認識していたことについては公表していなかった。

 現在もブラジル、英国、チリ、米国、ウルグアイの支援により、空と海からの捜索活動が続いている。映像は、捜索にあたる駆逐艦「サランディ(ARA Sarandi)」や、トレレウ(Trelew)のアルミランテ ザール(Almirante Zar)海軍航空基地など。19日撮影。(c)AFP/Eitan ABRAMOVICH/Carlos REYES