【11月21日 AFP】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン(Janet Yellen)議長は20日、次期議長が正式に就任すれば、自身の議長としての任期が切れる来年2月にFRB理事職も辞める意向を示した。

 慣例に従えば次期FRB議長(任期4年)にもイエレン氏が指名されるところだったが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は今月2日、現FRB理事のジェローム・パウエル(Jerome Powell)氏を次期議長に指名していた。

 FRB議長としてのイエレン氏の任期は来年2月3日に切れるが、兼任しているFRB理事としての任期は2024年1月まで残っていた。FRB議長が退任すれば理事職からも退くのが慣例になっている。イエレン氏が理事を辞めれば定員7人の理事のうち4人が欠ける状態となり、金融政策と銀行規制の方向性を決める上でトランプ大統領の影響力が強まる。

 イエレン氏はトランプ大統領に宛てた辞表で、2008~09年の大不況以降、米経済の回復が継続していることをうれしく思うと述べ、世界金融危機後に実施された金融改革が好影響を与えたことにも言及した。トランプ政権はこれらの金融改革の見直しに動いている。(c)AFP