【11月21日 AFP】イタリアサッカー連盟(FIGC)のカルロ・タベッキオ(Carlo Tavecchio)会長が20日、同国代表がW杯ロシア大会(2018 World Cup)の出場を逃した責任を取って辞任した。通算4度のW杯優勝を誇るイタリアは、1958年以来となる本大会の切符を獲得できず、先日にはピエロ・ヴェントゥーラ(Giampiero Ventura)監督が解任され、現在は指揮官の座が空白となっている。

 74歳のタベッキオ氏は、イタリアが13日に行われたスウェーデンとの欧州予選プレーオフで2戦合計0-1で敗れた際、即座に辞任しなかったとして同国オリンピック委員会(CONI)のジョバンニ・マラゴ(Giovanni Malago)会長から大きな批判を浴びていた。伊ローマで開かれたFIGCの緊急会議では、アマチュアリーグ内で唯一残っていた自身の支持者からも見捨てられたことを知り、辞職を余儀なくされた形となった。

 この状況に腹を立てたタベッキオ氏は、自分だけが責任を取らされたと把握したときはあぜんとしたと明かし、「私が辞めるのは、単なる政治的策略だ。私は議会も追随することを求めたが、誰一人としてそうせずに私だけが辞任した。われわれは袋小路に陥っていたと思う。政治情勢はけさまで変わっていなかった。重要な裁定が下されたが、最も重要な議題のときにセリエAもBも不在だった」と述べた。

 タベッキオ氏はまた、リーグ全体の前でイタリアサッカー界の復興計画を示す意向だったとしている。しかし、敵対勢力は同氏のクビを求めた上で、90日以内に会長選を開くことを要求。今月中に行われる予定の各リーグの代表選については、タベッキオ氏がまとめることになるものの、FIGCの問題についてはCONIが介入して処理するとマラゴ会長が表明した。

■「ヴェントゥーラを選んだツケを支払っている」

 怒りが収まらないタベッキオ氏は自身の経歴を擁護する形で、2018-19シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)から自動的にグループステージの出場権を与えられるリーグ上位4チームにイタリアが入っていることや、欧州サッカー連盟(UEFA)の会長選ではアレクサンデル・チェフェリン(Aleksander Ceferin)氏の当選に同国が大きく影響を及ぼしたことを挙げた。

 同氏はさらに、ヴェントゥーラ氏を監督に選んだのは、イタリアが優勝した2006年W杯ドイツ大会で代表チームの指揮を執ったマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)氏だったと主張し、「カルロ・タベッキオは、ヴェントゥーラを選んだツケを支払っている」と主張した。

「得点さえ奪えていれば、私は背筋を伸ばしていられた。後悔している失敗?それは(スウェーデン戦が行われた)サンシーロ・スタジアム(San Siro Stadium)でのハーフタイム中、指揮官を代えるよう口を挟まなかったことだ」

「私は後任の監督候補として4~5人のビッグネームと話している。彼らは望み通りに発言できるが、タベッキオがいるから来たくなかったとは誰も言わないし、それはうそだ」

 監督不在となっているイタリア代表チームは、今年9月にドイツ・ブンデスリーガ1部、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)の指揮官を解雇されたカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)氏が次期監督候補の筆頭に挙げられている。(c)AFP/Stanislas TOUCHOT/Franck IOVENE