【11月20日 CNS】18日午前6時34分(現地時間)、中国・チベット自治区(Tibet Autonomous Region)ニンティ市(Linzhi)ミンリン県(Milin)付近(北緯29.75度、東経95.02度)でマグニチュード(M)6・9の地震が発生した。震源の深さは10キロと推定される。その後も、M3~5の余震が続いた。震源付近の人口は少数とみられる。CNS記者は19日午後、震源に最も近い同県派鎮(Pai)直白村(Zhibai)に入った。直白村は震源からの距離が最も近い村だが、現場や周辺道路の交通、村人の生活に大きな混乱は見られなかった。

 この日はチベット歴の正月だった。村人たちは村民活動室の外に集まって、互いに新年のあいさつを交わしていた。「大したことないよ、大丈夫、大丈夫!」と現地に住むゴンジュエツェリンさんは記者に話した。

 村に住むサンジーツェリンさんは頭にチベット式の帽子をかぶっている。「地震は起こったけど年は越せる。少し質素にはなったけれど」。例年なら全身新しいチベット衣装をきちんと着用して年を越すのだが、今年は地震が起こったため、帽子だけしか準備できなかった。サンジーツェリンさんの自宅は地震で亀裂が入ってしまい、現在はテントに避難している。地元政府が布団を用意してくれたので、「とても暖かく過ごせている」と話す。

 ニンティ市ではこれまでに、今回の地震によるけが人などは報告されていない。同市では地震発生後、救援隊4473人、車輌387台、救援用の機材8台が出動。地震があった区域の電力と通信は通常通りで、国道318号線などの主要道路や周辺の道路も混乱はなく、住民の表情も落ち着いている。(c)CNS/JCM/AFPBB News