【11月19日 AFP】核兵器の運用を担当する米戦略軍(US Strategic Command)のジョン・ハイテン(John Hyten)司令官は18日、核攻撃を指示する「違法な命令」を大統領から受けた場合は従わずに、代替策を模索することになるだろうと語った。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の言動が予測不能で安定性を欠くことから、トランプ氏が不必要な核攻撃を一方的に命令するのではないかとの懸念が高まっている。この問題は先日、米上院でも議論された。

 カナダのハリファクス(Halifax)で開かれた国際安全保障関連のフォーラムで、核攻撃の可能性が出てきた場合にトランプ大統領と何を話すかと質問されたハイテン氏は「私は大統領に助言し、大統領は私に命令する」とした上で次のように語った。

「命令が違法ならば、私は『大統領、それは違法です』と言う。大統領は『どういうものだったら合法なんだ』と尋ねるだろう。そしてわれわれは状況に応じて各種戦力を組み合わせて選択肢を見いだしていく」

 また、何が違法な命令に当たるかについてハイテン氏は、武力紛争法(国際人道法、戦時国際法とも)に軍事的必要性、(文民と戦闘員、民用物と軍事目標の)区別、均衡性、不必要な苦痛についての原則が規定されていると説明。「違法な命令を実行すれば、禁錮刑を受け、終身刑に処せられる可能性もある。核兵器や小火器、小部隊の戦術など、すべてがその適用対象だ」と述べた。(c)AFP