【11月18日 AFP】メキシコ南部のアグアアズル(Agua Azul)の滝は、棚田状になった石灰岩を鮮やかな青緑色の水が流れ落ちることで有名な観光地だ。

 しかしメキシコを襲った大地震の後、滝は干上がってしまい、それまでにぎわっていた観光業も同じ運命をたどりつつある。

 アグアアズルの滝があるのはチアパス(Chiapas)州で、近くには古代マヤ文明の遺跡パレンケ(Palenque)もある。チアパス州は9月7日に発生し、96人の死者を出したマグニチュード(M)8.2の地震の震源だった。

 メキシコの水資源当局によると、アグアアズルの滝の水は石灰岩のミネラルのおかげで鮮やかな色をしているが、今回の地震と石灰岩の正常浸食によって川の左岸の一部が決壊した。決壊地点から新たな支流ができてしまったために本流の水位は1メートル近く低下し、多くの場所で滝が干上がってしまった。

 わずか1日の間に滝が干上がったことに地元住民も驚き、世界中から1日に何千人もの観光客を集めていた景勝地の将来に不安を募らせている。

 住民らはシャベルやつるはしを使って、元通りの流れと鮮やかな青緑色の滝を取り戻そうと修復工事を行っており、人力でできる限りの石や堆積物を動かした後、当局に対し重機の投入を求めている。

 映像は、前半が地震前に撮影されたもの。後半は15日撮影。(c)AFP