【11月18日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)の軍事演習でトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と建国の父ムスタファ・ケマル・アタチュルク(Mustafa Kemal Ataturk)初代大統領が「NATOの敵」として扱われた問題をめぐりトルコが演習から軍を引き揚げたことを受けて、NATOが17日、トルコに謝罪した。

 この問題が起きたのはノルウェー南部スタバンゲル(Stavanger)で行われたNATOの軍事演習「トライデント・ジャベリン(Trident Javelin)」。加盟国間の司令部レベルでの連携強化を目的とした演習で、17日に終了した。

 NATOのウェブサイトによると、トライデント・ジャベリンは「現場に部隊を展開するのではなくコンピューターを使った演習」で大規模戦闘における指揮系統の改善を目的としたもの。

 トルコ外務省によると、この軍事演習のシナリオの中でアタチュルク像の画像が「敵の親玉」を描くのに使われていた。エルドアン大統領の名前も「敵国の指導者」への協力者のチャットアカウント名に使われていた。

 エルドアン大統領は、トルコ軍トップのフルシ・アカル(Hulusi Akar)参謀総長とオメル・チェリキ(Omer Celik)欧州連合(EU)相からこの件について報告を受けたと述べた。アカル参謀総長とチェリキEU相はカナダ東部ハリファクス(Halifax)で行われるNATOの会議に向かっているところだった。

 エルドアン大統領は自身とアタチュルクの巨大な肖像の前で演説し「彼らに『こんなことが起きた……したがってわが軍の兵士40人を引き揚げる』と報告された」「そこで私は『当然だ。ためらうな。今すぐ引き揚げろ』ときっぱりと言った」と述べた。

 エルドアン大統領は、トルコは抗議としてトライデント・ジャベリンから同国兵40人を引き揚げたと発表するとともに「このような同盟はあり得ない」と述べた。