【11月18日 AFP】ナイジェリアボブスレー・スケルトン連盟(BSF Nigeria)は17日、同国の女子ボブスレーチームが、来年韓国で開催される平昌冬季五輪の同種目でアフリカ勢として初の出場権を獲得したと発表した。

 カナダ・カルガリーで行われた16日のレースで、女子のナイジェリア代表チームが最後の出場権を獲得したことを受け、同連盟は公式インスタグラム(Instagram)に平昌五輪への出場が決まった女子選手3人がハイタッチして喜び合う姿の写真と「大興奮という言葉では足りない」というコメントを投稿し、「わが国の女子ボブスレーチームが、冬季五輪の出場資格を獲得したことは大きな誇りです」と述べた。

 この時期の気温が35度にも上るナイジェリアがボブスレーで五輪の出場権を獲得したことは、1988年のカルガリー大会に出場して1993年のハリウッド映画『クール・ランニング(Cool Runnings)』の題材として有名になったジャマイカチームとの比較は避けられない。

 しかし、チームのパイロットを務めるセウン・アディグン(Seun Adigun)と、ブレーカーのヌゴジ・オンウメレ(Ngozi Onwumere)とアクオマ・オメオガ(Akuoma Omeoga)は、そのことについてほとんど気にせず、練習やレースに必要な15万ドル(約1700万円)の資金をクラウドファンディングで募ったほか、市場分析や宣伝活動を駆使してオンライン上で大きな話題を集めることによって、クレジットカード会社のビザ(Visa)やスポーツ用品大手アンダーアーマー(Under Armour)などのスポンサーを獲得することに成功した。

 米国育ちの3人は陸上選手としての経歴があり、なかでも2012年のロンドン五輪に出場した実績を持つアディグンは、今年4月に英BBCに対し、「私の目標はこの国(ナイジェリア)やこの大陸(アフリカ)の代表として、このチームで五輪に出場することです」と話していた。

「私たちは時速130キロから145キロで氷上を滑るなんて、想像もできないような大陸から来ました。出場権を獲得できたことだけで、大きな力になります」

 サッカー人気が高いナイジェリアでは、ボブスレーチームの存在すらもほとんど知られておらず、今回の出場権獲得については国内でも驚きが広がっており、ツイッター(Twitter)上には、「正直なところ、ボブスレーチームが何なのかよく分かっていない。だけど、ゴー、ナイジェリア!」という書き込みがみられた。(c)AFP