【11月16日 AFP】(更新、写真追加)イタリア・ルネサンスの巨匠レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)作とされる約500年前の絵画「サルバトール・ムンディ(救世主、Salvator Mundi)」が15日、米ニューヨークで競売に掛けられ、美術品の競売で史上最高額となる4億5030万ドル(約510億円)で落札された。競売大手クリスティーズ(Christie's)が発表した。

 作品は、ダビンチが1500年ごろにイエス・キリスト(Jesus Christ)を描いたと考えられている。長年、贋作とみなされていたが、2005年に米国での競売の際に本物と鑑定された。その後、2011年に英ロンドンのナショナルギャラリー(National Gallery)で展示されて話題を呼んだ。

 現存するダビンチ直筆の絵画作品は世界に20作もなく、他は全て美術館などの施設に所蔵されている。

 出品したのは、ロシア人の富豪でサッカー・フランス・リーグASモナコ(AS Monaco)の会長を務めるドミトリー・リボロフレフ(Dmitry Rybolovlev)氏。作品はモナコのスイス人美術商イブ・ブービエ(Yves Bouvier)氏から1億2750万ドル(約140億円)で購入したが、後にブービエ氏が2013年に競売大手サザビーズ(Sotheby's)の競売で8000万ドル(約90億円)で同作を落札していたことが判明。リボロフレフ氏は詐欺に遭ったとしてブービエ氏を訴えていた。

 この日の競売では18分間にわたって激しい入札合戦が繰り広げられた。これまでの美術品の史上最高落札額は、やはりクリスティーズが手掛けた2015年のオークションで20世紀の巨匠パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の油彩画「アルジェの女たち バージョンO(The Women of Algiers, Version 0)」が記録した1億7940万ドル(約200億円)だった。今回はそれを大幅に塗り替えた。(c)AFP