【11月16日 AFP】2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)の出場を逃したイタリア代表のジャンピエロ・ヴェントゥーラ(Giampiero Ventura)監督が15日、解任された。

 イタリアサッカー連盟(FIGC)はローマで緊急会議を開き、69歳のヴェントゥーラ監督の解任を決定。アズーリ(Azzurri、イタリア代表の愛称)の再建を託す後任は、チェルシー(Chelsea)やレアル・マドリード(Real Madrid)などを指揮したカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)氏が有力とされている。

 イタリアは13日に行われたスウェーデンとの欧州予選プレーオフ第2戦に0-0で引き分け、2戦合計スコア0-1で敗れて1958年以来60年ぶりに本大会出場を逃す結果となったが、試合後にヴェントゥーラ監督は辞任を否定していた。

 FIGCは声明で「本日をもってジャンピエロ・ヴェントゥーラは代表チームの指揮官ではなくなった」と発表している。報道によると、ヴェントゥーラ監督には2018年6月の契約満了までの給与80万ユーロ(約1億円)が支払われるという。

 しかし、辞任を求める声が高まっていたFIGCのカルロ・タベッキオ(Carlo Tavecchio)会長は現職にとどまることとなった。タベッキオ会長は報道陣に対し、新監督は20日に開かれるFIGCの会議で任命されるとしている。

 後任の最有力候補である58歳のアンチェロッティ氏は、9月にバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)の監督を解任されてフリーとなっている。

 指揮官として欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)を3度制し、イタリア、イングランド、ドイツ、フランスでリーグ優勝を経験しているアンチェロッティ氏は、前任者の大失態を受けて求められている毅然(きぜん)とした姿勢をチームにもたらすだろう。

 その他の後任候補としては、チェルシーのアントニオ・コンテ(Antonio Conte)監督、ユベントス(Juventus)のマッシミリアーノ・アレグリ(Massimiliano Allegri)監督、マンチェスター・シティ(Manchester City)などで指揮を執ったロベルト・マンチーニ(Roberto Mancini)監督らの名前が取りざたされている。

 しかしながら、イタリアサッカー界の抜本的な再建を約束したタベッキオ会長への批判は静まっておらず、イタリアサッカー選手協会(AIC)のダミアノ・トンマージ(Damiano Tommasi)会長は、タベッキオ会長が辞任を拒んだため会議の場を立ち去っている。

 現役時代にASローマ(AS Roma)などで活躍したトンマージ会長は報道陣に対し、「変革をする雰囲気ではない。タベッキオは辞めずに続けるつもりだ」とコメントしている。

「ほかの者たちは立場をはっきりさせていない。これから決めると言っている。われわれには新たなメンバーによる信頼性の高い選挙が必要だ。監督を解任するだけではイタリアサッカー界の問題は解決されない」

「そうでなければ、われわれは消化に悪い同じスープをかき混ぜ続けることになる」(c)AFP/Emmeline MOORE/Stanislas TOUCHOT