【11月15日 東方新報】11月11日の「独身の日(双11)」商戦では、アリババ(Alibaba)傘下の物流サービス「菜鳥網絡(Cainiao Network)」が配達完了数8億1200万件という数字を打ち立てた。

 日付が11日に変わった午前零時過ぎ。最速で注文・配送が完了するのに要したのは、上海市(Shanghai)の届け先でわずか12分。農村への第1号は、69分で貴州省(Guizhou)黔南プイ族ミャオ族自治州へ届けられた。また海外からの荷物は、同社は中国人が好む数字に合わせ、午前8時8分8秒に500万件が税関を通過完了したと発表した。

 発送件数が1億件を突破したのは、11日午前9時29分。ちなみに、昨年は同じ数字に至るまでに12時間を費やしている。同9時36分には4億6700万件に達し、2015年の同日1日分の記録を超えてしまった。「双11」が幕を閉じた12日午前零時で、最終の発送件数が8億1200万件だったのだ。

 支払いの勢いも凄まじい。アリババが運営するEコマースサイト「天猫(Tmall)」で「アリペイ(Alipay)」を利用した支払い回数は14億8000万回、前年より41%増えた。つまり、「双11」の1日だけですべての中国人がアリペイを1回以上利用したことになる。

 記録を更新したのは、11日に日付が変わってからわずか5分22秒後だった。また、1秒間の支払い回数25万6000回という数字は、前年の2.1倍に上る。1秒間のデータバンク処理回数の最高値は4200万回で、アントフィナンシャル(Ant Financial)が自社開発したデータバンク「OceanBase」の処理能力の高さを見せつけた。

 こうした高い負荷がかかる状態で「双11」商戦を乗り切ったアリババの最高技術責任者、張建鋒(Zhang Jianfeng)CTOは、「今年の『双11』技術は、私の指揮下ではなく、人工知能(AI)と人間が一緒に指揮を執ることで成功したといっても過言ではない」と満足げだ。マシンと人間が商品選択やカスタマー・サービス、物流、技術の維持・管理など全面的に協力し、前例を見ない大規模な取り組みとなった。「『双11』という巨大な社会実践を通じて、AIの発達も加速した」と張CTOは締めくくった。