【11月15日 東方新報】11月12日午前零時、2017年の「独身の日(11月11日、双11)」のEコマース商戦、「双11」が幕を閉じた。アリババ(Alibaba)は取引成立額を1682億元(約2兆8780億円)と発表。ライバルの京東(JD.com)も今年初めて「双11」の売り上げを発表、取引成立額は1271億元(約2兆1751億円)だった。

「京東は計算に強いね」。ライバル社アリババのマーケティング・PR委員会の王帥(Wang Shuai)主席はインタビューを受けてこうコメントした。京東の統計データが「独身の日」1日間のものでなく、11日間のデータであると暗に批判したのだ。これに対し、京東の最高マーケティング責任者を務める徐雷(Xu Lei)CMOが応戦。「おたくだって20日以上も前からのデータを1日分の売上として公表しているじゃないか」と、こちらはウィーチャット(Wechat)上でコメントした。

 2人がやり合った背景には、Eコマース商戦の成長率が伸び悩んでいることがある。中国国家統計局がまとめた2016年の統計によると、インターネットショッピングの取引規模は前年同期と比べ、たったの1.8%増えたに過ぎない。

 また、「双11」の大量の取引の裏で、在庫の準備、データ処理能力、その後の物流手配などといったバックヤード業務へのプレッシャーも年々重くのしかかり、業界内では「まるで耐久試験のようだ」と言われている。

 アリババが運営する「天猫(Tmall)」の11日午前零時から5分22秒間のデータを見てみると、1秒間の支払い回数の最高値は25万6000回、1秒間のデータバンク処理回数の最高値は4200万回だった。

 京東のオンラインショップでは、アリババ傘下にあるアリペイ(Alipay)を使った支払いはできない。中国で有名なSNSには14日、こんな書き込みがあった。

「京東ショッピングモールはどうしてアリペイが使えないの? 京東で買い物をしようとしたら、アリペイでの支払いができなかった。最後はあきらめたけど。だからアリババで買うつもり。どうして京東はより多くの支払い方法を導入しないの? 単にアリババと競争したいから? アマゾンでもアップルストアでも、アリペイの支払いができるのに!」(c)東方新報/AFPBB News