【11月14日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は、同国の首都マニラで行われたロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)首相との会談の席上、麻薬取引の疑いで昨年逮捕されたロシア人の容疑者2人について、過密状態にある劣悪な刑務所ではなく「快適な独房」に収監されると述べた。

 会談の公式記録によると、ドゥテルテ大統領は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に合わせて13日夜に行われた会談で、メドベージェフ首相に対し、「わが国にはきちんと機能する司法システムがあり、2人は公正な裁判を受け、快適な独房に収監されるということは言っておきたい」と述べた。

 以前の報道によると、ロシア人のユーリ・キルジュシキン(Yuri Kirdyushkin)容疑者は昨年10月5日、マニラの空港でコカイン約10キロを所持していたとして逮捕された。

 またもう一人のアナスタシア・ノボバシナ(Anastasia Novopashina)被告は荷物の中から13キロ近いコカインが発見された後、同じ空港の関税警察によって昨年11月に拘束された。

 ドゥテルテ氏の大統領就任から1年4か月が経過する中、警察は麻薬の取り締まり作戦で3967人を殺害したと発表。また政府のデータによると、麻薬関連犯罪でさらに2290人が殺害されたほか、不明の状況下で多数の人々が殺害されている。

 その一方でフィリピンとロシアの関係は、ドゥテルテ大統領の政権下で劇的に改善。フィリピン南部ミンダナオ(Mindanao)島マラウィ(Marawi)でのイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」系武装勢力の掃討作戦を支援するため、ロシアはフィリピン政府に武器供与を行っており、13日に行われた会談でも、ドゥテルテ大統領はメドベージェフ首相に謝意を示した。(c)AFP