【11月14日 時事通信社】南北軍事境界線にある板門店で起きた北朝鮮軍兵士の韓国亡命に伴う銃撃事件をめぐり、韓国軍合同参謀本部幹部は14日、国会の国防委員会で、北朝鮮軍の4人が40発以上発砲したと明らかにした。敵対行為を禁じた朝鮮戦争の休戦協定(1953年7月調印)に違反した可能性も出ている。

 韓国軍によると、板門店の北朝鮮側で13日午後3時15分ごろ、北朝鮮軍兵士1人が小型四輪駆動車で走行。監視所付近の排水溝に車輪がはまり、車を降りて南側に逃走した。この間、北朝鮮軍の4人が追走、銃撃した。

 兵士は軍事境界線から約50メートルの韓国側施設付近で落ち葉に隠れるような形で倒れていた。警戒する韓国軍の3人がほふく前進で近づき、兵士を保護。約5カ所に銃撃を受けた兵士はソウル郊外の病院に運ばれ、手術は13日午後11時ごろまで行われた。韓国メディアによれば、予断を許さない状況という。

 韓国の宋永武国防相は国防委で、朝鮮戦争休戦以降、板門店で北朝鮮の銃弾が軍事境界線を初めて越えた事件かと問われ、「そうだ」と回答。韓国側に被弾の跡があり、休戦協定違反との認識を示した。国防省報道官は14日の記者会見で「休戦協定の違反事項は国連軍司令部を通じて厳重に抗議する」と説明した。

 国連軍司令部の軍事停戦委員会は13日、兵士は治療中で、事件の調査が進行中だと北朝鮮側に通知した。北朝鮮国営メディアは14日夕現在、兵士の亡命を伝えていない。(c)時事通信社